【SQL予備知識】データベースとは?SQLとは?どんな用途なのか。
SQLの基本的な概念とその特長を初心者向けにやさしく解説。データベース操作の世界への第一歩として、この記事でSQLの魅力を軽く触れてみましょう。
SQLとは?
SQL(Structured Query Language)は、データベースの操作を可能にするプログラミング言語です。特にリレーショナルデータベースと呼ばれる種類のデータベースでよく用いられます。SQLは世界中で広く使われており、その標準的な仕様が多くのデータベース製品で採用されています。
SQLの主要な特長
SQLの最大の特長は、リレーショナルデータベースとの高い親和性です。これは、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)がSQLを前提として設計されているからです。SQLでは、データのCRUD操作(Create、Read、Update、Delete)が基本となります。さらに、複雑なクエリを用いて特定の情報を効率よく抽出することも可能です。
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Create(作成): データベースに新しいデータを追加する操作です。例えば、新しい顧客情報を顧客テーブルに追加する場合に使用します。
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Read(読み取り): 既存のデータを検索・参照する操作です。特定の条件に合致するデータを見つけ出す際に用います。
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Update(更新): 既存のデータを修正する操作です。例えば、顧客の住所情報が変わった場合に、その情報を更新する際に使用します。
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Delete(削除): データベースからデータを削除する操作です。不要になったデータを取り除く際に用います。
実際の導入例
SQLはビジネスの現場で非常に多くの場面で活用されています。特に、企業内のビジネスデータベースでは、顧客情報や商品情報、注文履歴など多岐にわたるデータが管理されています。
旭松食品株式会社
この導入に至った背景には、販売実績データや生産管理データの一元管理が必要だったからです。従来はExcelや人手での作業が多かったが、新システムの導入により、これらの手作業を大幅に削減しました。
ビジネス上の課題
2020年より、各種システムのクラウド移行をOracle Cloud Infrastructure上で進めている。
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需給調整業務では、多くの手間と作業負荷がかかっていた。
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システム上の制約や手作業による作業の非効率性。
導入の効果
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販売実績データや生産管理データをMySQL Database Serviceで効率的に管理。
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需給データの分析・予測・提案などを実現するアプリケーションも開発。
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「ベテランの勘」に頼る部分をシステム化し、生産計画の最適化や作業フローの大幅な改善を実現。
株式会社りらく
システムのコスト削減とパフォーマンスの向上を目指して、データベースの移行を検討しました。Amazon AuroraからOracle Cloud Infrastructure (OCI) への移行を選択した背景には、OCIが提供する高いパフォーマンスとコスト効率の良さがありました。また、OCIのMySQL Database Serviceは、フルマネージドのサービスとして提供されており、運用の手間を大幅に削減することができる点も魅力として挙げられます。
ビジネス上の課題
りらくは、アナログ中心の業務プロセスを3年間で急速にデジタル化しました。しかし、会社の急成長とともに、以下のような課題が生じました。
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複数のサブシステムが独自のDBを保持、データが一元管理されていない
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OLTP用DBとOLAP用DBが分離、リアルタイム性が低い
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サブシステム間でデータが分断、外部システムとのデータ連携が困難
導入の背景と効果
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Oracle Cloud Infrastructure(OCI)とMySQLのマネージド・データベース・サービスを採用
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サブシステムごとのDBを統合し、同一インスタンスで統合DBを構築
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AWSからOCIへの移行で、コスト削減とパフォーマンス向上を実現
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MySQLのマネージド・データベース・サービスにより、システムの拡張性と安全性を向上
よくある誤解
SQLはデータベース操作のための言語であり、多くの人々が日常的に使用しています。しかし、初心者の中には、SQLに関する一般的な誤解があるかもしれません。
SQL ≠ データベース
SQLはデータベースそのものではありません。SQLは、データベース内のデータを操作するための言語です。データベースはデータの保存や管理を行うシステムであり、SQLはそのシステムと対話するためのツールと言えます。
歴史的背景
SQLの名前が「Structured Query Language」の略であることから、クエリ言語としての側面が強調されがちですが、実際にはデータの挿入、更新、削除など、多岐にわたる操作をサポートしています。SQLが生まれた背景や、なぜこのような名前がつけられたのかなど、歴史的な背景を知ることで、より深く理解することができます。
おすすめリソース
データベース操作のスキルは、現代のIT業界で非常に価値があります。
以下は、学習レベルに応じたリソースを紹介します。
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スッキリわかるSQL入門 第3版: やさしく・楽しくデータベースとSQLを学習できる入門書です。初学者の定番と言える書籍です。
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SQL実践入門──高速でわかりやすいクエリの書き方: 基本的なSQLが書けるようになり、パフォーマンスを考慮したクエリを追求しくなってきたらおすすめ。
終わりに
本記事を通じて、SQLの基本的な概念とその特長をざっくりと理解することができたかと思います。深い学習や実践的な内容には触れていませんが、SQLとは何か、その役割や特長を知る第一歩としての情報提供を目指しました。データベース操作の世界は広く、本記事はその入口に過ぎません。しかし、この知識をベースに、さらに深い学びを追求することで、データの真価を引き出す力を身につけることができるでしょう。